駄目なやつ

録画していたやまとなでしこの特別編をまとめて視聴しました。約4時間に及ぶ視聴はおれに高いクラフトビールを3本飲ませるに値する内容だったのですが、本来の10時間分が半分くらいになってるのは少し残念。ちゃんと11話観た人には懐かしい思い出が蘇る感じなんですが観てない人にはこれでやまとなでしこを知って欲しくないといいたい。初代ガンダムの三部作くらいの飛ばしかただと思って良いでしょう。

そんなこと言いながら本放送時は海外在住だったので(中原欧介みたいな立派なもんじゃない)実は観てなくて、そうは言っても再放送で通しで3回は観てるくらい好きなドラマを10年以上ぶりに観ても泣ける。

このドラマの良いポイントってのを自分なりに考えたんだけど、金持ちの豚と貧乏な好青年を天秤にかけるような単純な構図じゃなく、東幹久演じる東十条さんはいわゆる出木杉くんで、対する堤真一演じる中原欧介はただの魚屋さん。この間を埋めるポイントってなんなんだというところがこのドラマの肝なんだろうなと。金を持ってさえいれば誰でも良いと言い切るこの嫌われて然るべき駄目女である神野桜子を主人公にしてクズのまま終わるわけじゃなくて、とどめの「残念ながらあなたといるとわたしは幸せなんです!」と叫ぶツンデレ告白には何か凄みを感じる。

「見た目のよりも性格です」とか「大切なのはお金じゃなくて心です」ではなくて、なんだかわからないけど「この人が良い」っていうその一点だけで突破してしまったおかしさがこのドラマの人気の秘密なんじゃないだろうか。

何が言いたいかというとツンデレにまるで興味がなかったおれにツンデレの良さを教えてくれたこの作品に感謝したいということです。